越境エリア・三遠南信(さんえんなんしん=東三河、遠州、南信州)の情報紙「三遠南信Biz」:紙媒体+電子版=400円

越境情報紙「三遠南信Biz」

2023年6月号

三ケ日の食肉会社社長が、捨てられる運命のミカンを握り締めて考えた「日本の田舎の再生方法」

更新日:

6月号の特集「開通は見えてきたが、人は住み続けられるか」は、4月に浜松市で開かれたシンポジウム「三遠南信地域の持続的発展を担う人づくり」で語られたインパクトのある内容を掘り下げ、特に中山間地域に伝えたいという思いから企画しました。

子どもが田舎に戻れないのは誰のせいか

農村が衰退して都会に人口が集中する現象は日本だけでなく、南米でも起きています。

子どもが大学を卒業すると田舎を捨て、都会の大企業に就職するのはあらがえない流れだというのが暗黙の了解でしょう。

これに対し、浜松市北区三ケ日町の食品会社社長、中村健二さん(63)は「親や地域の大人が子どもと真剣に向き合わず、本気で努力しないせいだ=腹のくくり方が甘っちょろいからだ」と断言しました。

シンポジウムでパネリストを務める中村さん(左)

衝撃発言の続きを独自に聞きだす

世界や時代の流れに逆らい、デリケートな領域に思い切り踏み込んだ発言に衝撃を受け、
この話の続きと、
そこまで言い切れる自信の裏付け=「ローカルビジネス立ち上げのノウハウ」をどうしても聞きたくなり、三ケ日町で追加取材をしました。

浜松の方ならよくご存知かと思いますが、中村さんは規格外の農作物に高い価値を付ける先駆者として大企業も注目する存在で、内閣府から「地域活性化伝道師」に任命され、300種類以上の商品開発に関わっています。

地元人材の育成手腕は、前浜松市長からも高く評価され、三ケ日には中村さんの影響を受けてまちづくりに励む若者が約500人います。

特集の発端となったシンポジウムの激熱な発言を切り取って紹介します(以下、談)

■PR動画もご覧ください

*三遠南信Biz6月号の冒頭部分と内容が一部重複しますが、構成が大幅に異なります

中村さん

大人の腹のくくり方が甘いんだ

三ケ日は「(旧自治体別でみれば)日本一のミカン産地でいいですね」といわれますが、後を継ぐ人がだんだんいなくなっていて…「腹のくくり方」の話をさせてください。

大人の腹のくくり方が甘っちょろいんじゃないかって話です。

私は農林水産省の専門家派遣で南米の各地を回り、日系の農業者に商品開発と高付加価値化について講演しました。

現地では「農水省の専門家として来たが、実は田舎の肉屋のオヤジだ」と言ったら親近感を持たれて、私を村を挙げて歓迎してくれました。

ボリビアの村でも村長や農協の組合長から「あんた、今まで来た先生とちょっと違って面白いね」と言われて、「明日の講演と交流会も面白くなりそうだから、村中の人間を集めるわ」という話になり、子どもから高齢者まで千何百人が小学校の体育館に集まって、同時通訳で3時間くらい講演しました。

いてもたってもいられずに相談

続くご苦労様会が始まる直前、中学生の子たちに呼び止められたんです。
「先生の話はとっても面白かったので相談したいことがあるんです」って。

※以下、語りは会話形式に

子ども「実は私たち、この村を捨てて、街の大学に行くんです」

中村「まあそうでしょう。勉強が好きで、お父さんがこれだけの商売をされているんだから皆さん、大学に行くんですよね」

子ども「でもね、私の祖父はこのジャングルを斧一つで切り開いたんですよ」

中村「そうでしょうよ。日系人は風土病と戦いながら、このジャングルを切り開いたんですよね。だからなんなんですか?」

ボリビアのジャングル(イメージ)

親子の会話はボリビアでも腫れ物に触るよう

子ども「私たち実は、大学に行きたくないんです。この町に残りたいんです。

でも親は大学に行けというんで、勉強した方がいいとは思うんですけど…街に行くしかないんです」

中村「街に行くしかないってどういうことよ?」

子ども「この町には大卒が働く場所がないので、大学に行って、大きな街で大きな会社に入って暮らすしかないんです。親もそれがいいっていうんです」

中村(注釈):子どもたちは逆なんです。爺ちゃん婆ちゃん、ひい爺ちゃん、ひい婆ちゃんたちがつくった町なので、この町に残らなくちゃいかんと思っている。なぜならこの町は、今にも無くなりそうだから。

子ども「でもこの村は仕事がないので、親は出て行けと言っている。中村先生、どうしたらいいんですか?」

中村「親に相談したことあるのか?」

子ども「相談したことはないんです」「聞かれたこともないんです」

両方が腫れ物に触るようにしているんです。
私は困っちゃって、宴席は後回しにして、この子らと話すことにして、
「君らな、この町がどうなってもいいと思ってないんだな?」と聞くと「思ってないです。なんとかしたいと思っているんです。でもこの町に仕事がないんです」って言うんです。

村長に直談判するも…

「よおし、分かった。俺が君らの村長に話をつけてやるわ」と中学生に伝え、
村の長(おさ)たちに「あの、すみません。中学生に呼び止められましてね、みんな村に残りたいって言うんですけど、なんで『残ってくれ』って言わないんですか?」って言ったら、
「いや、この村に残っても仕事がないしね。あの子らの未来はなくなりそうだから、そんなことよう言わんわ」

「何言っとるんですか?」

私は思わず意見していました。

「あなたたちの先祖がどれほど苦労してこの町を開拓したか、子どもたちはよく知っています。だから残りたいんです。
それなのになんですか。腫れ物を触るように言って、大人が『この町を残したいから俺たちがなんとか頑張るから、お前たちも残ってくれや』って、なんで言わんのですか?」
「大人の腹のくくり方が甘っちょろ過ぎます」

南米で吼えて帰ってきました(笑)。

…この話はここで終わりました。

しかし…

ボリビアの村の子どもたちは今、どうしているのか

大人たちはどうしたのか

ボリビアの村はどうなったのか

これらがどうしても聞きたくなり、追加取材をお願いして、三遠南信Biz6月号に

三遠南信Biz2023年6月号

非常に詳しく載せました

中村さんは、子どもたちの未来のために、大人たちがすべきことは「ビジネスモデルの構築」だとして、

・商売の肝(儲け方の基本・秘けつ)
・儲けの種の見つけ方
・ビジネスの仕組みづくり
・農業の秘められた可能性

さらには、
・中村さんの指導で南米の日系人が具体化させた商品開発、高付加価値化の概要
・まだ知られていない「日本の田舎にこれから訪れるチャンス」の中身
を熱く語ってくれました。

若者の流出が続く三遠南信地域にこれらを伝え、なんとかして中山間地域をはじめとするエリア内の活性化につなげたいー。

特集はそんな思いで組みました。

これらの情報がわずか400円で入手できます。

中村さんも多くの人に読まれることを望んでいます。

ビジネスのノウハウが凝縮された激熱トークの続きをぜひご一読ください。

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