三遠南信地域の人と地域をつなごうと、2019年4月に創刊する月刊タブロイド紙「三遠南信Biz」 の題字(ロゴタイプ)が決まった。制作を担当した長野県飯田市のグラフィックデザイナー、塚平秀男さん(55)に題字が完成するまでの過程と考え方を聞いた。
編集長から、お話を頂いたのがきっかけです。私がデザインした阿智村の「阿智家族」(移住定住促進事業)のロゴを気に入っていただいたことと、「読者層の年齢層が私と同じなのが良い」とオリエンテーションを受けました。地域に根ざした身近な新聞社からのご依頼ですし、とても光栄なお話なので喜んでお引き受けしました。
提示された要望は「信頼感と未来感。行動を促すという新媒体のイメージ。ひと目で読める、可読性の高さ」でした。
初めに三遠南信Bizとは何か、媒体の特徴や効果、コアターゲット、ロゴに要望されるイメージ、そこから連想されるキーワードをまとめました。働くことへの意識が高い中間からトップ層の経営者と管理者に向けた、新しいエリアのビジネス情報紙。三遠南信とそこに住まう人々に生きる活力とヒントを与える、そのような媒体の姿勢が表れるような雰囲気のデザインが良いと思いました。
「人」を基軸に紹介する新聞の特徴は、Bizの「i」にアクセントをつけて表現しています。
できるだけ多くのデザインの方向性を打ち出したので、ロゴタイプは30パターン、題字デザイン(ロゴタイプ+スローガン+マーク)は18案提案しました。
三遠南信Bizの目指すビジョンと今回のコンセプトに合っているだろうか、と考えながら絞り込み、その後にさらにブラシュアップをしてより魅力的な伝わる題字デザインになるように調整しています。名刺や看板や販促物への展開も可能です。
いよいよ4月から三遠南信Bizが創刊します。10年先の三遠南信Bizが大きく成長しますように。そして完成したロゴが多くの人に魅力的に感じてもらえたら嬉しいですね。
塚平秀男 グラフィックデザイナー、ツカデザイン代表。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。外資系広告代理店の制作、パナソニックグループの広告制作会社、地元広告代理店を経てツカデザイン(Tsuka Design)を設立。ロゴ以外にも広告、編集、チラシ、看板、映像などのデザインも手掛けている。