アナログレコードの人気が世界的に高まっているようだ。80年代初めに登場したCD(コンパクトディスク)に主役の座を奪われてからは、再びレコードブームが巻き起こるなど誰も想像していなかったのではないだろうか。

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2024年2月号 PR 新城市

女将ストーリー 「レコード日和」

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日本料理「清月」女将・書家

青山芳子

アナログレコードの人気が世界的に高まっているようだ。80年代初めに登場したCD(コンパクトディスク)に主役の座を奪われてからは、再びレコードブームが巻き起こるなど誰も想像していなかったのではないだろうか。

正月に二男が帰省してきた。彼はバンドを組んでいて、人気曲はTik Tokを中心に世界中で大ヒットした。

彼とレコード盤の話になり、「YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)は、私がアメリカに滞在していた1980年に、日本で大ブレイクしていると聞いたから、現地でアルバムを買ったのよ」と言うと、「えっ、すごい!US盤を持ってるんだ。」と、彼は目を輝かせた。

1980年にアメリカで買ったアルバム

「日本よりも安かったから、マイケル・ジャクソンとかいろいろなミュージシャンのアルバムを15枚くらいは買った気がする」

「全部見せて!」

「初盤とかオリジナル盤と呼ばれるものは音質が良いから貴重だよね。YMOのレコードジャケットを確認したけど価値があると思う。もらってもいい?昔買った日本のレコードも見せてほしい」

普段めったに聴くことのないレコードだが、欲しいと言われると急に愛おしくなってしまう私がいた。深い思い入れがあるのだと、その時気が付いた。

「私より、慎司が持っているべきね!音楽活動に役立つのなら何枚でも喜んで譲りましょう」

そんなことを思いながら、最近の私は毎日のようにレコードを聴いている。コーヒー片手にレコード鑑賞する姿は美しい構図だ、と思う。

レコード盤にそっと針を落としてから音が鳴り出すまでの、あのわずかな時間のワクワク感もたまらない。チリチリ、ジ、ジ、ジ…のノイズを耳に感じただけで、遠い昔がよみがえってくるようだ。

長い年月の想いを受け、ゆるやかに時をめぐってきたメロディーの証を令和の新しい時代に送り出してあげよう。若者は慣れない手つきで針を落とし、新鮮な感覚とプロの感性で音に親しむに違いない。そして、そこからまた新しい歌が生まれてくるはずだ。(新城市)

「三遠南信Biz」2024年2月号に掲載

バックナンバー(サンプル)
2023年7月号掲載「17歳の夏に」
2023年10月号掲載「麗しきコートダジュール」
2024年2月号掲載「レコード日和」
2024年3月号掲載「ヨシコの七不思議」

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