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越境情報紙「三遠南信Biz」

2023年4月号

ストロー現象に負けない三遠南信道沿線に/コアな愛好者目線で考える アウトドア産業の可能性

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高速交通網の整備によって、大都市に人も金も吸い取られる「ストロー現象」に負けない地域になるには、どんな対策が有効だろうか。国内外のアウトドア事情に詳しい国土交通省中部地方整備局浜松河川国道事務所の名久井孝史所長(45)に、三遠南信道沿線で展開するアウトドアビジネスの可能性や、コアな愛好家目線によるアイデアを聞いた。

三遠南信道沿線と天竜川流域の立体模型を使って説明する浜松河川国道事務所の名久井所長

―リニア中央新幹線の開業と三遠南信道の開通によって、沿線地域は人が来やすくなる一方、人が出やすくもなります。高速交通網を生かして沿線を活性化するには、三遠南信地域、特に中山間地域はたとえばどんなビジネスに着目すべきでしょうか

リニアが開業すると東京―飯田市間が40分で行き来できるようになり、三遠南信道で浜松―飯田間が結ばれる頃、面白くて集客力のある何かがあれば、南信州や北遠、東三河は首都圏から日帰りもできる気軽な旅行圏になる。自然を生かしたアウトドア産業は、人を引き寄せるものになる可能性がある。

RVパークに商機あり

―最近注目している展開は?

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに自然の中で余暇を楽しむ意識が高まり、キャンプ場が人気。キャンピングカーの販売台数もうなぎのぼりに増えている。

実は静岡県は日本で1番別荘が多い。大都市に適度に近く、自然の中で余暇を楽しめる場所として認知されている。最近は別荘より手軽なキャンピングカーの人気が高まり、車中泊ができる場所が欲しいという世の中のニーズは高まっている。

人気のRVパーク(飯田市内で撮影)

電源やトイレを備えたRVパークは国内約250カ所に整備されているが、キャンピングカーに乗っている私としても、適切に駐められる所はまだ少ないと感じる。

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